稽古の言葉
大野一雄 著 1997年 フィルムアート社 221頁 2100円(税抜)
"大野一雄が稽古のときに語った言葉の本である。<br> 大野一雄の稽古場では研究生の稽古が行われている。通常は週三回、公演などで不在になる時以外は、稽古が休みになることはない。現在はもうそういうことはないが、そこで大野一雄はよく話した。77年頃の稽古から、話を録音したテープが残されている。ウォークマンを置きっぱなしで録ったものがほとんどで、録音状態はよくない。それでも、それを聴きとり、原稿におこし、アフォリズムの形式に編集した。元々は稽古の参加者に対して具体的進行状況の中で語りかけた言葉であり、その状況は活字になった今は見えない。だから言葉は残された断片として読むよりないが、それがどのような稽古であったのかは、むしろこの断片において確かに伝えられている。"